FXで損切ができない心理・・・サンクコスト効果&コンコルド効果
みなさんは平気で損切ができますか・・・?戦略を考えて、エントリーします。そして、LCの値にくるともうちょっと待つとLCせずに建値にもどるかも?なんて考えてLC値をずらしたり、変更したりしたことはないでしょうか?
または、ヤケクソになりもう塩漬けでいいや~とそのままホールドor 最悪のナンピン・・・
追証がでて仕方なく損切。そして、結果は大損・・・あの時にLCしておけばこんなに損失がおおきくならなかったのに・・・もうトレードはやめた・・・。
トレーダーならこれは誰もが通る道だと思います。
なぜ、損切ができなかったのだろう~今回は損切ができない心理をお話します。
●サンク・コスト効果
サンク・コスト(Sunk Cost)効果とは・・・回収が不可能になった投資費用を指します。
すでに支払ったコストに気をとられ、合理的な判断ができなくなってしまう心理効果です。サンク(Sunk)とはSink(沈む)の完了形で、Costは費用、合わせると沈んでしまって元には戻らない費用と言う意味になります。
投資をしている方はもちろん知ってますよね~
FXで言えば・・・保有期間が長かったりナンピンを繰り返したりしていると心の中でロスカットするべきだと思っても先に投資したコストや時間が無駄になってしまうとロスカットできなくなってしまうという事です。
サンク・コスト効果 の怖いところは先に投資 したコスト(金と時間)が大きければ大きいほど心理的効果が増幅されるところです。
損失は小さいうちにLCするべきですね・・・ナンピンはしてはいけません。
もう一つわかりやすい例をあげます。
例):Aさんはパソコンの調子が悪く、修理屋さんに聞いてみたらマザーボードが悪く交換して5万円かかる~と言われて新しいパソコンを買うか?直すか?悩む・・・でも、5万円だったらと思い・・・5万円払ってパソコンを修理する
その後、快適に動いていたがまた調子が悪くなり、修理屋さんに聞いてみると今度はハードディスクとかCPUなどを交換しなくてはダメと言われて7万円かかると言われる・・・計12万円
同じような機能のパソコンが新品で15万円で売っている~少し足せば新しいのが買えるのに・・・先に投資した5万円が無駄になってしまう~と考えAさんは修理してもらうことにした。
ここで考えることは先に投資した5万円がなければ、Aさんは迷わず新しいのを買ったはず・・・
●サンク・コスト効果 バイアス
サンクスコスト効果は認知バイアスの一種です。
認知バイアスとは、情報を誤って解釈し、意思決定に影響を与えてしまう思考のエラーと言われています。
サンクスコスト効果の原因は、「損失回避性」という心理バイアスです。損失回避性とは、「何かを得る喜びよりも、失う怖さのほうを強く感じる」心理です。サンクコスト効果にかかると、過去に投資したコストの価値を引きずってしまい、やめられないという状況に陥ります
●日常のサンクコスト効果の例
気が付かないだけでみなさん、サンクコスト効果にハマっています。
サンクコスト効果の例はたくさんあります。例えば、次のような場合です。
・映画のチケットを買ったけど、映画がつまらないと感じた場合、サンクスコスト効果にかかると、「せっかくだから」と思って最後まで見てしまいます。しかし、合理的に考えれば、チケット代はもう取り返せないので、時間を有効に使うためには、映画をやめて他のことをするべきです。
・買った本がつまらなくても、読み終えるまでやめられない
・ゲームやギャンブルでお金や時間を使っても、次は勝てるかもしれない・・・と思ってやめられない
・会社で売り上げが良くない商品がある。その商品を売らなければいいのだが、その商品開発にかなりの金額がかかってしまった。でももしかしたら売れるかもしれないと思いまだその商品にお金をかけ続けている・・・
これらの例は、サンクスコスト効果によって合理的な判断ができなくなっていることを示しています。
私のおもしろいサンクコスト効果を聞いてください。
●コンコルド効果
サンクコスト効果と同じ意味を持つのが「コンコルド効果」です。
コンコルド効果という名前の由来は、1962年に作られた旅客機「コンコルド」にあります。コンコルドは約4,000億円をかけて開発されましたが、開発途中、同プロジェクトを継続しても黒字転換ができないという試算がなされました。しかし、それまでの投資を惜しんで運用を続け、最終的には数兆円という莫大な赤字を出す結果になってしまいました。
コンコルドは元々燃費が悪く、定員の少なさもあって収益性が低い機体であり、2000年に墜落事故が発生し、2001年のアメリカ同時多発テロ事件によって、航空需要全体が低迷する中での収益性の改善が望めなかったことなどから運航停止が決定され、2003年10月までに営業飛行を終了し、同年11月26日に退役した。
このことを指して、結果が目に見えているのに、それまでにかけた費用に対する執着が捨てられないという状況を「コンコルド効果」と表現するようになりました。これはサンクコスト効果の事例として有名です
伝説の旅客機「コンコルド」
コンコルドの全長は62.19m、翼幅は25.56m。巡航速度はマッハ2(時速にして約2200km)が打ち出されました。2社(ブリティッシュエアウェイズ、エールフランス)で7機づつ、計14機が導入されていました。
コンコルドはニューヨーク ➡ ロンドン を3時間切ってフライトしたそうです。現在、ニューヨーク、ロンドン間は約7時間。
今の半分の時間って凄いですよね~
料金はなんと通常の10倍らしいです。
ニューヨーク、ロンドン間で往復の料金が約120万円・・・料金も凄いですね
まぁ~デザインもカッコいい。近未来のデザインで一度は乗ってみたかった。
こんなに素晴らしい旅客機がこんなたとえになるなんて・・・
●サンクコスト効果とコンコルド効果
「コンコルド効果」と「サンクコスト効果」は、似たような心理現象であるため、混同されることがありますが、異なるものです。
「サンクコスト効果」とは、すでに投資した資金や時間などの「埋没費用」を考慮して、その投資を継続することがある心理現象です。
一方、「コンコルド効果」とは、ある対象にお金や気持ち、時間を投資し続けることが大きな損失になるとわかっていても、それまでの投資を惜しんでやめられない心理のことです。
●最後に
どちらもまぁ似ていますが、投資やFXではサンクコスト効果が損切を躊躇させてしまいます。
よく、トレードする前に利食い・LC値をいれておくと良いと言われていますが、大きい金額になればなるほど損切ができなくなる心理があります。
ですから、トレードはポジションサイズをできるだけ少なくし、リスクを減らすといいです。
やっぱりトレードはスイングトレードがベスト
少ない枚数で大きくリターンが期待できます!